
愚痴と不満は福運を消す 〜場所と心の関係について〜
生まれてからずっと実家で暮らしている人もいれば、結婚してからも実家の近くに住み続けている人もいるかもしれません。
私の場合は少し違って、
生まれてから今に至るまで、何度も引っ越しをしてきました。
まるで、場所を変えるたびに、何度も脱皮しながら生きてきたような人生で、
今も、ちょうど引っ越しの真っ最中です。
荷物はそれほど多くないので、ひと月ほど猶予をもらいながら、少しずつ移動しています。
引っ越しというと、本来なら「引っ越し業者の比較」や「費用を抑えるコツ」など、誰かの参考になる記事も書けそうなのですが、毎回こんな調子で、利用の機会がないのです。
今回も、どうやら例外ではなさそうです。
悪い口コミを書かなくなった理由
今の時代、誰かのレビューや体験談は、とても参考になります。
私自身も、AmazonやGoogleの口コミに何度も助けられてきました。
なので、自分も誰かの役に立てれば、と思って投稿するようにしています。
ただ、最近の自分なりの方針として、
できるだけ悪い口コミは書かない
ようにしています。
もちろん、正当な評価や、改善のための指摘が必要な場面はあります。
不誠実な対応や、明らかに困ることがあった場合には、事実を伝えることにも意味があるでしょう。
けれど、感情をぶつけるようなレビューを書いてしまうと、後で読み返したとき、自分の気持ちが沈んでしまうのです。
そんなとき、ふと思い出す言葉があります。
愚痴と不満は福運を消す。
この言葉は、単に「文句を言ってはいけない」という意味ではなくて
自分の心の向け方や
自分のエネルギーの使い方
を問いかける言葉なのではないか、と思います。
嫌いな場所に長くいない方がいい理由
誰にでも、苦手な場所はあります。
どうしても行かなければならない場所もあれば、自分の意志とは関係なく、誰かに付き添って行く場所もあるでしょう。
そこにしか用事を済ませられない、ということもあります。
けれど、
どうもこの場所は好きじゃない
と思いながらそこにいると、不思議と小さなトラブルが起こりやすくなることがあります。
道でクラクションを鳴らされたり、信号の途中で立ち往生してしまったり。
ひとつひとつは大したことではなくても、そうした出来事が重なると、
「やっぱり、ここに来るとろくなことがない」
と思ってしまうことがあります。
もしかしたら、それはその場所そのものが悪いというよりも、
自分の心が、その場所と調和できていない
ということなのかもしれません。
場所には、場所の空気があります。
人にも相性があるように、場所にも相性があるのだと思います。
自分の居場所に唾を吐かない
以前、私の職場で、会社の悪口ばかり言っている人がいました。
それを聞いたある同僚が、こう言ったのです。
「自分の勤め先のことを、あまり悪く言わない方がいいわよ。
そんなに合わないなら、もっと自分に合った場所を探した方がいいんじゃない?」
注意された方は、きっと面白くなかったと思います。
けれど、それを聞いていた私の心には、なにか残るものがありました。
文句ばかり言うということは、
自分の居場所に唾を吐いているようなもの
なのかもしれません。
もちろん、職場に問題があることもあります。
理不尽なことや、我慢しなくてよいこともあるでしょう。
けれど、そこに身を置きながら、毎日その場所を否定し続けることは、自分自身の心も傷つけてしまいます。
どうせそこにいるのなら、少しでも良いところを見つける。
少しでも前向きに、少しでも良くなるようにと考えて働く。
その方が、自分自身にとっても、ずっと気持ちがいいはずです。
実際、私は「ここは良い場所だな」と思いながら働いてきた職場で、気がつけば二十年以上も勤めることができました。
実は、上司にあてた手紙の中で
「私はこの職場を愛しています」なんてことを書いてしまったことがあり、そのときは
言い過ぎかな、と思ったのですが、
今思えば、不思議と守られていた気さえします。
何かあっても、なぜか切り抜けられる。
大変なことがあっても、最終的にはなんとかなる。
そんな感覚がありました。
反対に、応援で他の支店に行ったとき、
「ここの雰囲気は私には合わない」
「この客層は少し苦手だ」
と思ってしまうと、何をしても、良かれと思ってしたことさえ裏目に出てしまうことがありました。
心の向きと場所の空気は、思っている以上に深く関係しているのかもしれません。
どうしても合わない場所なら、離れてもいい
とはいえ、すべての場所や人に、良い面を見つけられるわけではありません。
どうしても無理。
どうしても好きになれない。
そう感じる場所も、時にはあります。
その気持ちがどうしても拭えないなら、その関係や場所から離れることも、大切な選択肢です。
無理に感謝しようとしたり、無理に好きになろうとしたりする必要はありません。
ただ、その前に一度だけ、
本当にそうなのだろうか
と立ち止まってみることも大切です。
なぜなら、疲れているときや、心に余裕がないときには、物事を必要以上にネガティブに受け取ってしまうことがあるからです。
身体が疲れていると、場所の空気まで重く感じることがあります。
心が疲れていると、人の言葉も冷たく聞こえることがあります。
本当に合わない場所なのか。
それとも、今の自分が疲れているだけなのか。
その違いを見極めることも、自分を守るためには大切なのだと思います。
場所からエネルギーをもらうこともある
私生活がどんなに大変なときでも、職場に行くと不思議と元気になれる。
そんな経験をしたことはありませんか。
それはきっと、その場所が持つエネルギーが、自分に力を与えてくれていたのだと思います。
私は、仕事がとても好きでした。
いいお客様にも恵まれ、自然と職場への感謝や愛情が深まっていきました。
休みの日なのに、つい職場へ行ってしまうことさえあって、
今思えば、それだけその場所に、自分の心が結びついていたのだと思います。
場所は、ただの空間ではありません。
そこにいる人たちの思い、積み重ねてきた時間、自分自身の記憶。
そうしたものが重なって、その場所ならではの空気をつくっていきます。
だからこそ、私たちは場所から傷つくこともあれば、場所から癒やされることもあるのでしょう。
今いる場所で、幸せを作る力
「いつか、もっと良い場所に行けたら」
「やがて、環境が変わったら」
そう思うことは、決して悪いことではありません。
未来に希望を持つことは、とても大切です。
けれど、幸せは「いつか」だけにあるものではありません。
今いる場所の中にも、小さな幸せの芽はあります。
それは、誰かの親切かもしれません。
今日も無事に過ごせたという安心かもしれません。
少しだけ片づいた部屋かもしれません。
思ったより気持ちよく吹いた風かもしれません。
幸せを生み出す力は、外から与えられるものではありません。
それは、自分自身の中にある力です。
愚痴や不満に心のエネルギーを使い果たしてしまうのではなく、
自分を守るために。
自分を育てるために。
そして、今いる場所に、小さな幸せの芽を見つけるために。
その力を使っていけたらと思います。
今いる場所を、すぐに好きになれなくてもいい。
けれど、そこにいる間だけでも、
この場所で、少しでも良いものを見つけてみよう
そう思えたとき、場所との関係は少しずつ変わっていくのかもしれません。
そしてその小さな変化が、やがて自分自身の未来を、静かに明るい方へ運んでくれるのだと思います。


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