◆頼まれたら断れない人を、頼む人は見抜いている
あなたはとても優しい人。
いつも、親切で同情的な雰囲気を漂わせている
のではないでしょうか。
頼み事も、心から実行できているときには疲れたり悩んだりはしない
ことでしょう。
けれどもし、あなたが頼み事を聞きすぎて気力をなくしているのであれば、
相手を識別する
ことが大切です。
あなたのような人ばかりではないから。
自分の言いたいことだけを言って、こちら側の事情など、考えてもいない人もいる
のです。
万人に対して奉仕の精神をもっていては、エネルギーがいくらあっても足りません。
言い過ぎかもしれませんが、
「頼み事」が上手い人は、それを引き受けてくれる人をかぎ分ける能力がある、
くらいに思っていることが大切です。
◆やりたくないことを引き受けて不本意な結果におわっているなら、「断る」ことについて本気で考える時
あなたが疲れを感じるような頼み事をする人は
自分の「できない」に対して正論をふりかざしたがる人
が多い、って思いませんか。
口ではそう言ってはいないかもしれませんが、
自分のやっている業務こそ一番大変で、自分の言ってることのほうが正しい、
だから周りの人に
柔軟に対応しろ!
と、本気で思っていたりします。
そのような人達の犠牲になる必要はない
わけです。
疲れる頼み事は、往々にして相手に利益をもたらしても、自分には何の見返りもなく、
もしかして、私いいように使われる?バカにされているのかも?!
と思わせます。
相手はあなたのおかげで他のことに没頭でき、楽しい思いをしているのに、
自分はただ荷を背負わされただけ、
頼まれごとを引き受けたって、何もいいことはない、
そんな否定的な感情だけが溜まっていけば、結局誰にとっても良い影響をもたらしません。
あなた自身の、自由に生きるスペースをしっかり確保することが大切です。
あなたの心が活気づいていれば、人を心から助けることができます。
◆自分に自信がないとき、頼まれごとを引き受けてしまいがち
例えば
それをしなかった時の相手の反応が気になってしまう、
この人は頼んでも聞いてくれない冷たい人
という印象を持たれるのを恐れて、
仕方なく頼まれごとを引き受けてしまう
という場合、
自分には大切にされる価値がない、
と思っていて、
だから、その価値を
人を助けることで埋めようと思ってしまう
こともあります。
あなたが
自分は取るに足らない存在だ
と思っていると、物事はより望ましくない方向に進んでいきます。
無理して引き受けても、
当然のことをしている
と思われ、感謝すらしてもらえなくなるでしょう。
何か頼まれごとをされたら、
もしもそれを引き受けてしまったら、
損をする可能性がある、傷つくかもしれない、ということを覚悟できるか、
◆自分さえ我慢すればいいのだから?
会社などの組織の中にいると、相手が理不尽な頼み事をしているとわかっていつつ、
断れない空気
があるかもしれません。
嫌なことであっても、
後々面倒くさいことになると思うと、引き受けざるをえない
という場合もあると思います。
そのような時も、せめて
今回限り
という条件をつけましょう。
ーしょうがないなぁ。今日だけですからねー。
ー「いつも」と言われると無理ですが、今日はなんとかしてみます。などなど、
つい引き受けてしまう人は、自分なりの言いやすい言葉を考えておく
のがよいでしょう。
そもそもですが、
頼まれごとを断ったら壊れるような関係
は、あなたにとって必要のない関係
です。
また、
自分からサポートを申し出るのと、
じぶんさえ我慢すればいいのだから
と、やりたくないことを引き受けるのとは違います。
どうしても引き受けなくてはならない場合、
気安く「いいですよ」と言う代わりに、
実は、自分は今これだけ仕事をかかえているんです、
今日はここまでを進めなくてはならず、
現状引き受けることができないのです、
と、具体的な正論で返す
ようにしていきましょう。
そうしたことをしていくだけで、
◆頼み事をされたら、相手の主張を鵜呑みにするのではなく、相手の人格に向き合ってこたえる。
頼まれたら断れない、という人は、
相手の顔も見ず気安く引き受けたりしない、
と決めましょう。
相手の人格にきちんと向き合うことは、相手を尊重することです。
上司なら上司との関係を、同僚なら同僚との関係を、
家族なら家族との関係を「真面目に」考え、絆を強めていく
ことです。
あなたは、元々深い慈愛の心を持つ人であり、親切で同情的な姿勢を持って生きている人なのでしょう。
そんなあなたの、目下の悩みは「頼み事を断れないこと」であるかもしれませんが、
本当の問題は別のところにあったりします。
何より、
頼み事を断ることさえできれば、
問題が一掃されるわけではない
でしょう。
あなたの慈愛に満ちた物の見方を
人の心の道理に照らし、他の人と分かち合おう、
と考えられるようになると、
あなたはもっと自分を好きになり、揺るぎない自尊心を築けるようになるでしょう。
「本当は引き受けたくないけど、引き受けたら仲良くしてくれるのではないか」など、
自分に都合のいい言い訳を練る必要もなくなります。