家族

家族間の人間関係について <3>その環境を財産にかえる

4月 29, 2021

 

◆家族問題は、長い時間をかけて浄化していこうという心構えでいることが大切

親になる覚悟ができていない人が、親になってしまうこともあると思います。

本当に子供が欲しくて育てていたとしても、予想とは違っていて、安心して子育てできる環境になくて、

途中放棄してしまうこともあるかもしれません。

望んだわけではないのに、そうした親の元に生まれ、過酷な運命を背負って生きていかなければならない子供もいます。

家が必ずしも「安全」とは言えないこともあると思います。

そうした幼い頃に感じた惨めさとか、やるせない気持ちを、あとあとまで引きずったまま人生を生きてしまうことがあります。

親子の課題は、

こうすればすべてOK!

という決定的なものがあるわけでも、

速攻に解決できる問題でもないと思います。

むしろ、長い年月をかけて

浄化させていくもの

であると考えたほうがよいのかもしれません。

それというのも、親もまた自分の親からの影響を受けて育っているのであり、

あなたが「宿命」とか因果論的なことを信じていないとしても、

志向性・交友関係・経済状況・趣味・住んでいる場所など、

代々受け継がれてきたもの

の中に投げ込まれることには違いないからです。

◆「ご先祖が救ってくれる」のではない、生きて活動できる私達がご先祖を救いだせる

少し話は逸れますが、私は仏法を学んでいますが、

「ご先祖様」を祭りたてる、

という習慣はありません。

ご先祖は、日々の祈りの中で回向する対象ではあっても、

願いをかなえてくれる存在ではない、

のです。

亡くなると、

人間を超えた力を持つように思うかもしれませんが、実際には地上に降りて役目を果たすことはできなくなります。

生きて自分の生命を「現せる」間でしか、自分の境涯を開くことはできない

ので、

生きている私達が幸せになって

彼らの無念さとか、不幸だった生い立ちの中で築かれた境涯の中から

救い出していくこと

が大切なのです。

親族がまだ「生きて」いるとしても、同じことではないかと思います。

 

受け継いだもの

については、「悪習慣」とか、どんな言い方でもよいのですが、

それを

自分は断ち切っていこうという意志

が必要になります。

そういわれてところで、何をしていいのかわからないし、

ましてや、あなたが親から飴1つ与えてもらえなかったと思えるようであれば、恨みつらみはあったとしても

幸せを願える気持ちにはなれないかもしれません。

ある意味人生を形成する軸のようになっているものを変えるには、あなたが

魂レベルで「革命」を起こしてゆく

必要があるといえ、

あなたが思っているよりも、大きな課題であるといえます。

この革命には、どうしたって「慈悲」とか「慈愛」が必要になります。

慈愛で挑むにあたり、精神的な向上も必要です。

けれど、それができた暁には、

その他のいろんな問題でも難なくクリアできるようになっていく

のではないかと思います。

自分のことを考えても、もし仏法に巡り合わなければ、道徳的にでも親の面倒を見ることはなかったし、

そのままでいたなら、今現在の自分はとても冷たい、いじけた人生を送っていたに違いなく、

親から与えられたものの中にうずくまり、いつまでも苦しんでいたと、容易に想像できます。

受け継いだものの中から不要な部分を切り離し、与えてもらったものを活かして更なる可能性を開く

私は茂木健一郎さんが好きで、ここでもよく書籍を紹介するのですが、

「挑戦する脳」の中には、以下のような話もされています。

問題は、「偶然」から「必然」への命がけの跳躍を、

いかに自分の生きているなかですることができるかということだ。

いかに自分が実際に置かれてしまった状況を引き受けて、それを正に転ずることができるか

 

茂木氏はまた、

したたかに生きろ

ということを繰り返し語っています。

 

親がいなくなってからも、あなたの人生は続いてゆく

のです。

あなたは、

受け継いだものの中から不要な部分を切り離し、

与えてもらったものを活かして更なる可能性を開く

必要があります。

私も、

幼い頃、自分とは違う、親の愛情に恵まれて育っていく子を羨ましく思ったことは幾度となくあります。

たとえば、

朝起きたら朝ごはんが用意されていて、学校から帰ったら家に明かりがともっている、

「おかえり」と抱きしめてもらえて、夜は早く床につく、

よい生活リズムの中できちんと躾けされて育てられたら

どんなによかったかな、なんて考えたりします。

もっと、品性が滲み出ていただろうし、いい家に嫁いでいたかもしれない・・なんて。(^_^;)

 

でも、

そうした環境ではなかったから自分は成長できない、と決めつける必要はないのだ、と茂木氏は言います。

そのような環境が発育に好ましいとしても、

そもそも発達のために最善の環境などない

ー 転んでもただではおきないのが人間の脳であり、

挑戦する脳は、悪い環境に置かれたくらいのことで諦めはしない

むしろ独創性に繋がることも多い ー

 

私達はみな

大いなる未完成

であり、一生涯が学びであるといえます。

その道、その歩み自体が人生の充実と幸福

であるともいえ、早くから完成させようと躍起になる必要もないと思います。

 

目指す方向にゆっくりと働きかけ、形を整えていくことのほうが大切で、

早いうちに小さく完成させようとすれば、いつか「無理」が現れるようになります。

よかろうが悪かろうが、置かれた環境の「意味」を見出し、目の前の課題を一つ一つ乗り越えていく、

その積み重ねは、やがて

確かな実り

をもたらします。

人はどんな試練も自分の財産にすることができます。

全ては 自分の心で決まってゆくのです。

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