<1>の続き
◆買い手が現れた!でもどこに住もうか?
家を売るとき、いろんな形があると思いますが、
私達がとったのは「家に住みながら売る」方法でした。何しろ家族が多く、それぞれに出ていく準備が必要で、他に方法がなかったのです。
一般的に、
「住みながら売る」のは、内見時に生活感が出てしまうため、「売れにくい」
と言われています。
それでも、3世帯で居住する私達の家が年内に売れました。考えるに、立地条件が良かったから
なのでしょう。
駅にも学校にも近く、その割に静かで、病院やスーパーもほどよい距離にありました。
いよいよ買い手が現れ、家を明け渡さなけれなならない時がきたとき、
私達は以前と同じような感じで
殆ど自力で幾つもの物件を手あたり次第探していました。
何らかの事情で部屋を決めるとき、あなたはどんな風に決めていますか。
私は単身生活も経験あるのですが、
最初はどうしても
土地勘がある場所
ー友人・知人がいる場所にが近いとか、仕事で通ったことがあるとか、生活するにあたって何かひとつ「イメージできる」ものがないと、不安になるものです。
周辺にスーパーマーケットがあるとか、学校があるとかも、もちろん考えるとしても。
でも、このころになると、学校に行ってる子供もいないし、自分は仕事していないのでどこでもいいし、主人は起床がとても早いので渋滞の心配はなく、
市内ならどこでもよい、という感じになります。
となると、範囲があまりに広い・・・。
勿論、契約した時点で「ハウスドゥ」の方に
いい物件があったら、紹介してください
と依頼していたのですが、この段階に至っても、
一件の紹介もありませんでした。
お客さんからすれば
次に住むならこういう場所がありますが、どうですか、
と積極姿勢で勧められてもよいはず、
と思いますが、考えてみればハウスドゥは「不動産情報」を数多く扱っている会社ではあっても
物件を紹介する「仲介業者」とは、ちょっと違うのかもしれません。
とにかく、待っていてもらちが明かなそうでした。
私自身、不動産仲介業者・不動産情報サイトは何度となく利用していますが、数ある関連会社をあたっていくにつれ、
それぞれ得意とするところがあり、違う体質があるんだな、と感じます。
あとで思ったのですが、ここで冷静に考えることができたことで、最善の方向に進んでいくことができました。
なんでも
ムキにならない
ことが大切なんだと思ったことの一つです。
私達が足を運んだ最初の場所が
住宅情報館
でした。(広告ではありません(^_^;)
ここに来たことで、がらっと方向が変わっていったのでした。
私達は、持ち家を手放したことだし、今度はアパートかマンションで、もし中古でまぁまあよさそうな場所があったならそれも考えよう
と思っていたのですが、ずいぶん話し込んだあとで店長さんから
うち、賃貸はやっていないんですよ
と言われ、笑ってしまいました。
私達は初日、そんなことさえ知らず、来店していたのです。にも拘わらず、
店長さんの誠実な対応に惹かれて・・というか、導かれるように
そのあとの話が決まっていったのでした。
そして、今は
土地に導かれていたのだな、と思います。
◆生きていく場所は、魂を満たす場所であってほしい
生まれも育ちもここ。
ここが大好き!
と言える人は幸せだと思います。
日々の営みを積み重ねて生きていく
のですから、生活する環境はとても大切で、もしも
住んでいる場所が自分に合わないと感じられるなら、
例えば経済的な理由で我慢して住んでいたとしても、いつか採算があわなくなっていくような気がします。
私のように
「家を建てた」人は、これからずっとそこに住まなくてはならない
気がしてしまうものです。
私が長く住んでいた場所は、確かにいい場所だったので、ひょっとしたら周囲の誰かに
ここを出るなんて、頭おかしいの?
と言われいるかもしれません。
職場は変わることができても、家を手放す決断は、なかなかできないものです。
でも、いろいろと変化していきます。自分も人も。
だから、どんなに他の人が羨むようないい場所であったとしても、
なんだか 自分とは合わなくなってきた、
と思える日も来るし、どんなに今がよくても、私達は変化しつづけることを、どこかで覚悟していなければならないような気がします。
でも、
基本、自分は自由にどこへでも行ける、という気持ちを持ち続けていれば、
時々の自分に合う人とも巡り合えたり、理想に叶った行動もでき、成長し続けることができる
のではないでしょうか。
本当をいうと、たぶん家族の中で一番手放したがらないのは私で、長年私を乗せて走ってくれた車が廃車になるとき、そこに何度も足を運び、名残りを惜しみました。
だから、「離れることができない」気持ちも、よくわかるのです。
自分に何ももたらしてくれない環境に、我慢して居続けてしまうのだとしたら、
捨てきれない思いがあるからでしょう。
自分はもっと幸せになっていいんだ、幸せになれるところがある、と思ったら、
或いは
引っ越しについてやけに考えてる
ことに気づいたら、
きっとそれが手放すタイミングです。
私以外の家族は、生まれも育ちもずっと過ごしてきた場所ですから、よく最後に頷いてくれたなあと思います。
◆賃貸かマイホームか
家探しをしている途中、
賃貸かマイホームか
考えることもあると思います。
私の経験からすると、
単純に
自分の家が欲しい
というのが理由で購入するのは避けたほうがいいかもしれない、
と思います。
そこまで必要性を感じていないのに買う
というのは、どんなものも同じで失敗しやすいのではないか、と思うからです。
例えば同居するとか、子供ができたからとか、なんらかの事情によりその必要性が生じるまでは
身軽でいたほうがいいように思います。
家となると金額が大きすぎるし、理想とは違ったからといって、簡単に譲ったり廃棄するわけにはいきませんから。
単に自分の素敵なお城がほしいという理由であれば、少し賃貸で生活してみてからでもいいように思います。
勿論、
自分はそこで生きてゆく!
と覚悟を決められることもありますが、
先に家を建ててしまったがゆえに、「縛られてしまう」可能性もあります。
賃貸がよいと思うのは、
例えば騒音に悩まされるようになったとか、「住んだあとで」環境が悪く変わっても、
引っ越せばどうにかなる
し、災害などで建物がダメージを受けても、持ち家よりは、次の家に移りやすい
ところです。
また、契約にもよりますが、私が住んでいたアパートでは、例えばトイレが詰まったりしたときには、大家さんに連絡すればよく、
メンテナンスに負担がない、ということもあります。
デメリットは、
幾らお金を払い続けても、自分のものにならない
という点です。
マンションに住んで、いざとなったら売ろうとなっても、
土地は共有だし、建物は古くなっていくので、
なかなか言われているほどには売れず、
自分が住まなくなっても、持っている以上、管理費は払わなければならなくなります。
リッチなマンションであるほど、その行き届いた施設のために、
「自分では利用していない」にも関わらず、維持費がかかってしまいます。
人生の終盤でわかったことですが、
家ほど自分の人生に密着しているものはなく、納得できる住まいに出会うことほど、
幸せなことはない
と思います。
私が移り住んでから一年ですが、畑だらけだった周辺にみるみる家が建ち始めました。
年内には隣3つの空き地に家が建ち並び、今年の春には家の並びにアパートができる予定で、
ものすごくデカイ(と言われている)イオンが建ち、
栄え始めています。
「自分が来てから栄え始める」ことは、すごく良いことだそうで、私もなんだからウキウキしています。