◆誰しも「よりよい道」を考え生きている
前回もお伝えしたように、人は本来「生きる意味を問い続けている」動物です。
誰しもが、一方では日常生活のサイクルに身を委ねながらも、他方ではどこかそれだけでは満たされない、虚しさを抱えていたりします。
それは「より自分を生かす道」を考えているからです。
これについては、たぶん多くの人が考え、数え切れないほどの論文も書かれてきたのではないかと思います。
このサイトではどこまで語れるかわかりませんが、私なりの「仏教」的考察を進めていければいいな、と思っています。
ここではまず、「人間らしく生きること」に視点をおいて考察したいと思っています。
ここで、とても大切な言葉をあなたに覚えておいてほしいと思います。
それは
「人身は受け難し」という言葉です。
ネット検索すればこの言葉の解説は多くあると思いますが、この言葉には続きがあります。
「爪の上の土」人身はもちがたし・草の上の露・・・と続きます。
人として生を受けることは稀であり、爪の上に乗った土のようにごくすくない。人間として命を持ち続けることは難しく、草の上の上の露のように儚い
という意味なのです。
あなたの一生がどれほどかけがえのない大切なものか、この言葉からも理解してもらえるのではないでしょうか。
だからこそ、自殺してはいけないし、自分を粗末にしてはならないのです。
◆「それでも」幸福を築いていけることが大切
どのような階級の人も、その肩書きの前に「人間」です。
妻である女性・母である女性ではなかったとしても、人間ではない女性はいません。
世の中には恵まれた家庭で育ち、人に恵まれ、華やかに生きて大事にされて生きる人もいると思います。
ただ、人として生きる以上、「生老病死」からは免れることはできません。
例えば若い時どんなに美しく、もてはやされていたとしても、必ず人は老いてゆきます。
わかっていても、私もそうですが若い時には「考えたくない」ものです。
そして、その時になってひしひしとこの現実を身に感じるようになります。
人間としての幸福は、まさにこの時に決るのではないでしょうか。
どんな次元に身をおいたとしても輝き続けられることが大切なのではないか、と思います。
少し長いですが、これに関して語られた恩師の言葉を紹介します。
こすられればすぐに禿げて薄くなるメッキのような幸福ではなく、こすれればこすられるほど、美しく光り輝く、真金のごとき幸福を築きあげていきたいものだ。
妻として、母として、或いは広く女性としての、様々な生き方や、それまでの幸福というものも、この地金に充てられた光の種類によって、表われる変化相にすぎないのではあるまいか
メッキのはげたやすものの地金は、どういう光をあてようと、にぶく、醜い反射光しか出さない。純粋無垢の黄金は、あてる光のいかんに関わらず、美しい魅力あふるる輝きを示すものだ
あなたには、いつまでも若々しく「生涯青春」の心で輝き続けていてほしいと思います。
勿論途中で挫折したり、失敗したりはするかもしれません。
たとえ今挫折を味わっているとしても、それ自体があなたの価値を決めるものではありません。
そのような時こそ、あなたの「人生の大逆転」を他の人に示す時のようにも思います。
単なる励ましで言っているのではありません。
そこには「生き延びる叡智」が示されているからです。
◆あなたの人生を精一杯生きることが生命を繋げる
以前お伝えした「多様性」の話になりますが、変化した後の環境に適応できる生命があればこそ、他の人も道筋を得ることができます。
「多様性」は、生命のつながりにとっても非常に大切なのです。
宇宙飛行士の毛利衛さんは、必要なのは「成功」よりも「個」の「挑戦」だと言われています。
・生死を賭けたぎりぎりの挑戦をして初めて、適応することができるからです。
・個の挑戦→適応→多様化と各段階を進んでいくと、その生命は生存の基盤を確立し、繁栄していくことになります。
・ビジネスの世界でいえば、自分の力を発揮して会社の生命を繋いでいく人です。
・変わるというマインドを持つ人達は、何か事があっても変わることを恐れずに適応する柔軟性があります
毛利 衛「宇宙から学ぶ」岩波新書
あなたなりの挑戦をしながら「あなたの人生」を精一杯生きることは、社会全体への貢献でもあるわけです。
また、あなた自身にとっても最後の一瞬まで「建設」の人生であり続けようとすることが、次の価値ある人生に繋がっていくことでしょう。